この日は、ドイツ南部の美しい町、ウールディンゲン=ミュールホーフェンを拠点に、かねてから訪れたかったユネスコ世界遺産「僧院の島ライヒェナウ」へ日帰り旅行に出かけました。ボーデン湖に浮かぶこの神秘的な島は、中世の面影を色濃く残し、歴史と自然が織りなす独特の雰囲気が魅力です。
一人旅での世界遺産を巡るヨーロッパ5ケ国周遊旅行(全60日間)のまとめの記事です。
ウンターウールディンゲンからライヒェナウ島までは、公共交通機関を利用しました。バスと電車を乗り継ぐルートでしたが、乗り換えが多く、電車の接続もスムーズとは言えず、目的地まで2時間以上を要しました。しかし、その道のりさえも、ドイツの田園風景を楽しむ貴重な時間となりました。
ラードルフツェル駅での乗り換え待ち時間は、思いのほか長くありました。そこで、時間を利用してウンター湖(ボーデン湖の一部)の湖畔を散策することに。穏やかな湖面を眺めていると、湖の中に立つ印象的な銅像が目に留まりました。何の像かは分かりませんでしたが、湖畔の景色に溶け込んで、旅の小さなアクセントとなりました。
静寂に包まれる聖マリア・マルクス教会
ライヒェナウ島に到着し、まず訪れたのが「聖マリア・マルクス教会」です。
歴史を感じさせる重厚な佇まいは、訪れる者を静かに迎え入れてくれます。石造りの壁や、時を経た装飾からは、この教会が長きにわたり人々の祈りの場であったことが伝わってきます。幸いにも内部を見学することができ、その荘厳な雰囲気と深い瞑想へと誘われるような静けさに心を奪われました。
愛らしい姿の聖ペトロ・パウロ教会
聖ペトロ・パウロ教会は、そのこぢんまりとした佇まいがとてもかわいらしい印象でした。
外観だけでなく、内部の装飾も非常に美しく、丁寧に手入れされていることがうかがえました。小さな教会ながらも、その神聖な雰囲気は訪れる人々の心を穏やかにしてくれるようでした。
ライヒェナウ島全体は、派手さはないものの、どこか懐かしい素朴な雰囲気が漂っています。島内をのんびりと散策していると、時間の流れがゆっくりと感じられ、心身ともにリフレッシュできました。ブドウ畑や畑が広がる風景も印象的で、自然と調和した人々の暮らしを感じることができました。
スイスとの国境の町、クロイツリンゲンへ
ライヒェナウ島での静かな時間を過ごした後は、少し足を伸ばして国境を越えてみることにしました。鉄道を利用して、スイスのクロイツリンゲンという町へ。特に有名な観光地というわけではありませんでしたが、ドイツから手軽に行ける距離だったので、ちょっとした冒険気分を味わうにはちょうど良いと考えました。国境を越えるという行為自体に、旅の醍醐味を感じます。
クロイツリンゲンでは、短い時間でしたが、スイスの街並みを垣間見ることができました。ドイツとは少し異なる雰囲気を感じながら、再びコンスタンツ方面へと戻りました。
コンスタンツのユニークなシンボル、インペリア像
ウンターウールディンゲンへ戻る途中、ボーデン湖畔の美しい街、コンスタンツに立ち寄りました。港にひときわ目立つのが、巨大なインペリア像です。
インペリア像は、ボーデン湖に入港する船を迎えるように立つ、高さ9メートルもの巨大な像です。両手にそれぞれ小さな人形を掲げて回るその姿は、風刺的でありながらもユーモラスで、多くの観光客の目を引きます。15世紀のコンスタンツ公会議を風刺したものであると言われています。
そのユニークな姿は一見の価値ありです。湖畔の景色と相まって、記憶に残る光景でした。
この後、鉄道でウンターウールディンゲン(ウールディンゲン=ミュールホーフェン)へ戻りました。
その後、再び鉄道に乗り、無事にウンターウールディンゲンへと戻りました。ライヒェナウ島での歴史と文化に触れる静かな時間、そして国境を越えて異なる文化に触れる体験、最後にコンスタンツのユニークなアートに触れることができた、充実した一日でした。世界遺産「僧院の島ライヒェナウ」は、喧騒を離れて心静かに過ごしたい方におすすめの場所です。