一人旅のヨーロッパ世界遺産旅行記9日目、フランス3日目は、世界遺産「ノール=パ ド カレー地方の炭田地帯」を訪問。
世界遺産の日本語名称の表記ゆれにより、「ノール=パ ド カレー地方の炭田地帯」で書き直しました。元の表記は「ノール=パ・ド・カレーの鉱業盆地」でした。
世界遺産「ノール=パ ド カレー地方の炭田地帯」とは
世界遺産「ノール=パ ド カレー地方の炭田地帯」は18世紀から20世紀にかけての石炭採掘関係の産業遺産です。構成資産はノール県とパ・ド・カレー県に広く分布しています。ランス市および近郊には採掘坑やズリ山など多くの遺産が残っています。
実はこの世界遺産に関してかなり時間をかけて調べました。ネット上にもあまり情報がなくて苦労しました。構成資産の相対的価値や訪問しやすさなどを考えて、最終的にランスを訪問することに決めました。旅行前に調べたときの記事を参考までにのせておきます。一人旅で世界遺産を巡るヨーロッパ6ケ国周遊旅行で訪問した全世界遺産を以下の記事で一覧表にまとめています。
ランス鉱山のフォス11/19(Fosse11/19)
ランス駅隣のバスターミナルから、炭鉱施設のある隣町のル=アン=ゴエル(Loos-en-Gohelle)までバスで行きました。
バスを下りるとすぐに採掘シャフトが高くそびえているのが見えます。門がありますが入場は無料でした。
ここにはランス鉱山のフォス11/19(Fosse11/19)と呼ばれるかつての石炭炭鉱の採掘坑が2つあります。写真の見えてる採掘シャフトはフォス11(Fosse 11)です。日本語では英語由来のピットNo11とNo19と呼んだ方がピンと来るかも。
ここれっきとした世界遺産なのですが、全然観光客がいません。
左から給水塔、フォス11(Fosse11)、右のコンクリートの塔がフォス19(Fosse19)のタワーです。
テリルNo74 74a 74b(Terrils N° 74 74a 74b)
裏にはボタ山(ズリ山)が3つあります。ここのボタ山は登れます。というか登るのをおすすめします。フランスで最も標高の高いボタ山です。右がテリルNo74(Terril n°74)で、左がテリルNo74a(Terril n°74a)です。Googleマップでは、Terril n°74aがTerril n°74bになっているので注意が必要です。
「Terril」はフランス語で、鉱山での採掘活動に伴って形成された土砂や廃棄物を積み上げた人工の丘や山を指します。主に石炭鉱山で見られる特徴的な地形であり、鉱石や石炭の採掘過程で出た残渣を保管・処理するために造られます。テリルはしばしば観光地やレクリエーション施設として活用されることもあります。
テリルNo74a(Terril n°74a)に登ってみました。ボタ山の頂上からの景色です。
写真はテリルNo74(Terril n°74)です。ボタ山見るのも初めてですし登るのも初めてです。かなり大きくて人工の造成物とは思えないほどです。ランニングをしている地元の方を数名見ました。帰国後色々調べるとボタ山ってかなり危険なもので、日本でも何回も死亡事故が起きています。登る際は気を付けてください。
- 参考:ボタ山崩壊事故(外部サイト)
ランス鉱山のフォス11/19(Fosse11/19)もテリルNo74 74a 74b(Terrils N° 74 74a 74b)世界遺産に登録されているのですが、108件ある構成資産のどれに含まれているのか判然としていません。
ランス鉱山会社本部ビル(世界遺産)
帰りはバスでランスの町まで戻りました。
バスを下車後、ランス鉱山会社本部ビルへ行きます。
ランス鉱山会社本部ビルは、フランス語名「Grands Bureaux de la Société des Mines de Lens」で、世界遺産「ノール=パ ド カレー地方の炭田地帯」の構成資産(ID1360-063)に登録されています。カタカナで「グラン・ビュロー・ドゥ・ラ・ソシエテ・デ・ミヌ・ド・ランス」と表記されます。
現在はアルトワ大学が所有。
ファサードがとても素敵で、シンメトリーなので落ち着きます。
パリへ移動
ホテルに戻り荷物をピックアップ。このあと電車(TGV)でパリまで移動です。
この日はパリに宿泊します。