一人旅で世界遺産をめぐるイタリア一周旅行の最初の滞在地は南イタリアのバーリ。ここに5泊して3つの世界遺産を目指しました。
イタリア一周旅行を含めたヨーロッパ世界遺産旅行(全91日間)を別記事でまとめています。
世界遺産の撮影を目的に、2ケ月かけてイタリア一周旅行をしていきます。大まかな計画は、南イタリアのバーリからイタリア全土を北上していく予定です。訪問する世界遺産は大体決まっていますが、宿泊する都市などは旅行を進みながら絞っていくスタイルです。
バーリとは
知らない人が多いと思いますので、最初の滞在地のバーリについて簡潔に解説します。
バーリ(Bari)は、イタリアの南部に位置する都市であり、プッリャ地方の州都です。バーリはアドリア海に面し、その港は重要な交易の拠点として知られています。
この美しい海港都市は、歴史的な建築物、中世の城壁、迷路のような古い街並みが特徴で、観光客に人気の観光スポットです。バーリにはサン・ニコラ教会やバーリ大聖堂などの重要な歴史的建造物があり、その美しい街並みや地中海の雰囲気が訪れる人々を魅了しています。
また、バーリはイタリアの伝統的な料理や地中海の美食の宝庫でもあり、美味しい食べ物とワインを楽しむことができます。バーリは南イタリアの魅力的な都市であり、歴史、文化、美食の絶妙な融合が訪れる人々を魅了しています。
バーリに滞在した理由
滞在地にバーリを選んだ理由は、町自体の観光の魅力もありますが、最大の理由は、周辺にある3つの世界遺産へアクセスが良いことです。
周辺には以下の3つの世界遺産があります。
- 世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」
- 世界遺産「デル・モンテ城」
- 世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」
スケジュール
- バーリ市内観光
- 世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」
- レッチェ市内観光
- 世界遺産「デル・モンテ城」
- 世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」
- バス移動(バーリ=サレルノ)
バーリ1日目 バーリ市内観光
バーリ空港に到着後、鉄道でバーリ市内のホテルへ移動。
チェックイン後、バーリ市内観光へ。
- バーリ大学
- ノルマンノ・スヴェヴォ城
- バーリ大聖堂
- サン・ニコラ聖堂
などを徒歩で散策・観光しました。
バーリのフォカッチャ
バーリのフォカッチャは、とても美味しいことで有名です。
ランチに旧市街で、ディナーに有名店の「マグダ(Magda)」で2回も食べました。
美味しいフォカッチャを食べたのは人生初だと思います。
日本のサイゼリアの物とはまったく別物ですね(笑)
バーリ2日目 世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」
2日目は、バーリから鉄道とバスを使って日帰りで、アルベロベッロへ。
世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」とは
世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」(Trulli of Alberobello)は、イタリア南部プッリャ州にある、まるで童話の世界から飛び出してきたかのようなとんがり屋根の白い家々が立ち並ぶ、とってもユニークな町です。1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。
トゥルッリってどんな家?
トゥルッリは、この地域特有の伝統的な住居で、その最大の特徴は、モルタルを一切使わず、石灰岩の平たい石を積み上げて造られた白い壁と、灰色をした円錐形の屋根です。屋根には、キリスト教のシンボルや魔除けの印、持ち主の家紋などが白い漆喰で描かれているものもあって、一つ一つ見て回るのが本当に楽しいんですよ。
私が訪れた時も、その独特な見た目には思わず「わぁ!」と声が出ました。特に、真っ青な空を背景に白いトゥルッリが並んでいる姿は、絵葉書のように美しく、どこを切り取っても絵になるんです。
なぜこんな形なの?トゥルッリの歴史と秘密
トゥルッリがこの形になったのには、実はちょっと面白い歴史的背景があります。16世紀から17世紀にかけて建てられ始めたとされていますが、その頃この地域を支配していた貴族が、税金逃れのために住居の建設を許可しなかったんです。そこで、農民たちが考え出したのが、**「簡単に取り壊せる家」**でした。石を積み上げただけのトゥルッリなら、役人が来たら屋根を解体して「これは家じゃない、ただの石の山だ」と言い訳できたという話が残っています。
また、石積み構造は、夏の暑さを遮断し、冬の寒さを和らげるという、自然のエアコンのような役割も果たしていました。実際に中に入ってみると、外の暑さとは打って変わってひんやりとしていて、当時の人々の知恵に感心させられましたね。
世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」の行き方
バーリ中央駅からFSE(スド・エスト鉄道)でプティニャーノ駅まで、ここからバスに乗り換えてアルベロベッロへ。プティニャーノ駅とアルベロベッロ駅の間は鉄道が運行していないようです。
FS(トレニタリア)のサイトの乗り換え案内と駅のチケット販売機の乗り換え案内が違っていてチョット不安。これがイタリアなのか。
プティニャーノ駅での待ち時間に「Station Coffee」でコーヒーブレーク。といっても立ち飲みです。地元の人にちょっかいをかけられました。
アルベロベッロのトゥルッリ観光:私の体験談
アルベロベッロの町を歩くと、約1,500棟ものトゥルッリが密集する景色は圧巻です。特に「リオーネ・モンティ地区」にはお土産屋さんやレストランになったトゥルッリが多く、観光客で賑わっています。細い路地を散策していると、まるで迷路に迷い込んだような気分になります。
トゥルッリの中にはカフェやお店になっているところもあって、私は実際にトゥルッリの中で美味しいコーヒーを楽しみました。その特別な空間での一服は、旅の忘れられない思い出の一つです。地元の職人さんがトゥルッリのミニチュアを作っているお店や、トゥルッリ型のパンを売っているパン屋さんなどもあって、町全体がトゥルッリの魅力であふれていました。
アルベロベッロは、その独特の建築スタイルと、そこに息づく人々の歴史や暮らしが、訪れる人々を魅了し続ける素晴らしい場所です。本当に「夢のような経験」ができるので、南イタリアを訪れるなら、ぜひ足を運んでほしい世界遺産です。
夕食
この日の夕食も「マグダ(Magda)」のフォカッチャを食べました。
マジで旨いです。
バーリ3日目 レッチェ市内観光
3日目(アルベロベッロの翌日)は、午前中にホテルを移動。
B&B Rossaniをチェックアウトして、Guesthouse City Centerにチェックイン。
その後、鉄道でバロックの町として有名なレッチェへ。
レッチェとは
レッチェを知らない人が多いと思いますので、簡潔に解説します。
レッチェ(Lecce)は、イタリアのプーリア州に位置する都市です。プーリア州の南部に位置し、アドリア海に近い地中海の地域にあります。
レッチェは、その美しいバロック建築や石造りの歴史的建造物で知られています。特にレッチェ石(Lecce stone)と呼ばれる柔らかい石材を用いた建築物が豊富であり、バロック様式の美しい彫刻や装飾が見られます。
市内にはレッチェ大聖堂(Basilica di Santa Croce)やレッチェ教会(Chiesa di Santa Chiara)などの見どころがあります。これらの建築物は豪華な彫刻や装飾が施されており、バロック様式の特徴を持っています。
レッチェはまた、レッチェ大学(Università del Salento)があることでも知られており、学術・教育の中心地でもあります。
レッチェは美しい歴史的建造物、石畳の街並み、文化的な雰囲気が特徴の都市として、多くの観光客に訪れる人気の観光地です。
バーリから日帰りでレッチェ市内観光
レッチェ駅から旧市街までは少し歩きます。
- サンタマリアアスンタ大聖堂
- サンタ・クローチェ聖堂
- ロマーノ円形闘技場
- サンタ・キアラ教会
などを徒歩で散策&観光。
レッチェは、まさに魅力的な町でした。その美しさに圧倒され、歴史と文化が息づくこの場所での滞在は素晴らしい体験でした。
まず、町の美しいバロック様式の建築に心を奪われました。その華やかな装飾や繊細なデザインは、歴史的な遺産を感じさせ、まるで美術館を歩いているような気分でした。特に教会や広場の建物は、その壮大な美しさが印象的で、写真を撮るのがたくさん楽しみました。
レッチェは「南イタリアのフィレンツェ」と呼ばれるだけの価値があります。その美しさ、歴史、文化、そして人々の温かさが、私の心に残る素晴らしい旅となりました。将来、世界遺産に登録されることを期待しています。
バーリ4日目 世界遺産「デル・モンテ城」
4日目(レッチェの翌日)は、鉄道とバスを乗り継いで世界遺産「デル・モンテ城」へ。
世界遺産「デル・モンテ城」とは
デル・モンテ城(Castel del Monte)は、イタリアのプッリャ州アンドリア県アンドリアに位置する城です。13世紀に神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世によって建てられたもので、八角形の形状が特徴です。デル・モンテ城は、1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。
デル・モンテ城は、フリードリヒ2世が狩猟や避暑のために建てたとされています。城は、八角形の平面形状になっており、八つの塔が配置されています。八角形の形状は、フリードリヒ2世が好んだ形状であり、他の建築物にも見られます。
デル・モンテ城は、現在、博物館として公開されています。城内には、フリードリヒ2世の時代に使われていた家具や調度品が展示されています。また、城の周辺には、美しい庭園が広がっています。
デル・モンテ城は、神聖ローマ帝国の歴史を物語る貴重な建築物であり、世界遺産に登録されたことで、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
世界遺産「デル・モンテ城」の行き方
バーリ中央駅からコラート駅までノルド・バレーゼ鉄道で行き、コラートからはノルド・バレーゼ鉄道が運行するバスでアンドリアへ。
アンドリアからは別のバスで「デル・モンテ城」へ向かいました。
乗継の時間があったので、アンドリアでは町を散策しました。
アンドリア駅前のベルサリエリ広場(Piazza Bersaglieri d'Italia)にあるレ・デリツィエ・デル・グラーノ(Le Delizie Del Grano)でランチ用のフォカッチャやパンを購入。
世界遺産「デル・モンテ城」観光
まわりに何もない荒野に建っている城です。かなりユニークなエクステリアの城です。
その壮大な美しさに圧倒されました。この城は歴史の詩を語るような場所で、その古さと荘厳さが印象的でした。
訪れる人々に歴史の中にタイムトラベルしたような感覚をもたらしてくれます。特に城壁の上から眺める景色は息をのむほど美しく、この場所がなぜ世界遺産に登録されたのかが理解できました。
デル・モンテ城は、歴史と美しさを愛する人々にとって必見の場所であり、私の旅の中で特別な思い出となりました。
入場は有料。城の中は特に面白いものはなかったです。入場しなくても良かったかなと思いました。
ゲストハウス シティセンター
キッチン付きの宿なのでこの日の夕食は、近くのスーパーマーケットで総菜を買ってきてセルフケータリング。なかなか美味しいです。
バーリ5日目 世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」
5日目(デル・モンテ城の翌日)は、鉄道でマテーラへ。
世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」とは
世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」は、イタリアのマテーラ市にある歴史的な地域です。この地域は、石灰岩の崖に掘り込まれた洞窟住居と岩窟教会から成り立っており、独特の景観と歴史的な価値を持っています。
洞窟住居は、数千年にわたり人々が住んできた住居であり、岩窟教会は中世から近代にかけて使われた宗教施設です。これらの洞窟住居と岩窟教会は、マテーラの地域独特の地形と人々の暮らしの形態を反映しており、文化的な遺産として価値が認められています。
洞窟住居は、石灰岩の崖に掘られた小さな住居であり、古代の農民や職人が暮らしていました。これらの住居は、外部から見ると岩に囲まれた小さな洞窟のように見えますが、内部には住居やキッチン、ストレージスペースなどがあります。洞窟住居は、自然の温度変化に対しても適切な環境を提供し、暑い夏や寒い冬でも快適に過ごすことができました。
岩窟教会は、マテーラ地域のキリスト教徒の信仰の中心地であり、特に中世から近代にかけて栄えました。これらの教会は、岩の壁面に彫られた美しいフレスコ画や装飾品で飾られており、当時の宗教的な信仰と芸術の融合を見ることができます。
世界遺産として登録されたマテーラの洞窟住居と岩窟教会公園は、人々の暮らしと信仰の歴史を伝える重要な場所です。訪れる人々は、洞窟住居や岩窟教会の内部を探索し、マテーラの独特の景観や文化を堪能することができます。また、この地域は映画の撮影ロケ地としても知られており、その美しさは多くの人々を魅了しています。
マテーラの行き方
バーリ中央駅から、FAL(アプロ・ルカーネ鉄道)の電車でマテーラ中央駅へ向かいます。
展望台
マテーラ中央駅に到着後、バスで展望台(Belvedere di Murgia Timone)へ向かいます。
ここでマテーラの洞窟住居のパノラマビューを撮影。
展望台は超絶おすすめです。ここに行かなければ、マテーラに行く意味はないと思います。それほど素晴らしい景色が楽しめます。
時間がないならタクシーを使うのもありです。その価値があります。
世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」観光
その後、旧市街を散策。以下などを観光。
- マテーラ大聖堂
- サンタ・マリア・デ・イドリス教会
世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」は、かなり素晴らしいです。
バス移動(バーリ=サレルノ)
5日間のバーリ滞在の後は、「FlixBus(フリックスバス)」でサレルノへ向かいました。フリックスバスはこの後、何度もお世話になることになります。
フリックスバスは快適
FlixBusのチケットはネットで予約しました。クレジットカード支払OKです。
バーリ中央駅からバスに乗車。座席は日本の高速バスとほぼ同じで、普通に快適です。ナポリを経由してサレルノに到着します。