ヨーロッパ5ヶ国を巡る一人旅の58日目は、ドイツの世界遺産を深く探訪する一日となりました。トリーアから始まり、巨大な「フェルクリンゲン製鉄所」の迫力に圧倒され、その後、静寂に包まれた「ロルシュの修道院とアルテンミュンスター」へ。過去の産業と中世の歴史を肌で感じる、忘れられない体験をレポートします。
旅立ち:トリーアから産業遺産へ
午前中、トリーアのホテルをチェックアウトし、最初の目的地である**世界遺産「フェルクリンゲン製鉄所」**を目指し、鉄道で移動しました。フェルクリンゲン駅に到着後、幸いにも駅近くのスーパーマーケットでキャリーケースを預けることができ、身軽になって観光に向かいます。
圧倒されるスケール:世界遺産「フェルクリンゲン製鉄所」
フェルクリンゲン駅から歩いてすぐの場所に、**世界遺産「フェルクリンゲン製鉄所」**はそびえ立っていました。町の中に突如現れる巨大な工業施設は、そのスケールに圧倒されます。
このドイツが誇る産業遺産は、19世紀から20世紀にかけて活動していた歴史的な製鉄工場です。正式名称は「Völklinger Hütte - Das Eisenwerk im Saarland」で、英語では「Völklingen Ironworks」とも呼ばれます。
フェルクリンゲン製鉄所を巡る中で、産業革命がもたらした技術の進化と、当時の過酷な労働の実情を肌で感じることができました。歴史的な高炉や製鉄所の施設群は、まるで時が止まったかのように保存されており、工業化の壮大なプロセスと、それを支えた労働者たちの生活に思いを馳せます。この貴重な体験は、産業遺産の重要性を改めて教えてくれるものでした。
中世の静寂を求めて:ロルシュへ
フェルクリンゲン製鉄所の観光を終え、次なる世界遺産「ロルシュの修道院とアルテンミュンスター」へ向かいました。フェルクリンゲンからロルシュへは、いくつかのローカル列車を乗り継いで行きました。
ロルシュ駅は予想以上に小さな駅で、残念ながらコインロッカーがありません。仕方なくキャリーケースを抱えたまま、ロルシュの修道院を目指して歩き始めました。約20分ほど歩いたでしょうか。Googleマップと地元の方に道を尋ねながら、ようやく目的地に到着。
時代を超えた建築美:世界遺産「ロルシュの修道院とアルテンミュンスター」
ドイツのヘッセン州に位置する世界遺産「ロルシュの修道院とアルテンミュンスター」は、764年にフランク王国の貴族によって建立された、歴史ある修道院です。8世紀から9世紀にかけて大いに栄え、カロリング朝の建築様式を代表する貴重な遺跡として知られています。
到着してまず驚いたのは、残念ながら一部が工事中だったことです。しかし、隣接する博物館でパンフレットや地図を入手し、工事中の箇所を避けながらも、修道院の敷地内を一通り見学・撮影することができました。王の門、かつての教会堂、回廊など、残された遺構からは往時の壮麗さが偲ばれます。この日は他に観光客の姿はなく、静かに歴史と向き合う貴重な時間となりました。
特に「王の門(ケーニヒスハーレ)」は、その美しさと歴史的価値において必見です。
これにて、今回のヨーロッパ周遊旅行における世界遺産巡りミッションはすべて終了です。
旅の終わりへ:フランクフルトの夜景
ロルシュでの観光を終えた後は、最後の宿泊地であるフランクフルトへ向かいました。フランクフルト中央駅には夜7時頃に到着。長旅の疲れもあり、夕食は駅構内のマクドナルドで手早く済ませました。
駅から徒歩5分ほどのホテルにチェックインし、一息ついた後、フランクフルトの夜景撮影に出かけました。疲労は感じていましたが、どうしてもECB(欧州中央銀行)のユーロマークを写真に収めたかったのです。その光景をカメラに収めた後は、マイン川沿いの美しい夜景をゆっくりと鑑賞し、撮影を楽しみました。
再び小腹が空いたので、ホテル近くのマクドナルドへ立ち寄り、翌日の空港までの電車の時間だけ確認して、この日は就寝しました。
初稿:2013年10月8日