一人旅で世界遺産を巡るヨーロッパ6ケ国周遊旅行24日目、ポルトガル5日目は、ファティマから日帰りで世界遺産「バターリャ修道院」へ行ってきました。かなり焦った一日でした。ポルトガルの日曜日は怖いです。
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世界遺産「バターリャ修道院」とは
概要:
バターリャ修道院(サンタ・マリア・ダ・ヴィトリア修道院)は、ポルトガルの中部地域に位置し、ゴシックとマヌエル様式の建築美術の傑作とされる修道院です。
歴史:
- バターリャ修道院の建設は1386年に始まり、アジャクショの戦いでポルトガル王ジョアン1世が勝利したことを祝うために建てられました。
- 建設は数世代にわたり続けられ、王室の支援によって美しいゴシックアーチと彫刻、さらにはマヌエル様式の装飾が追加されました。
- バターリャ修道院は、ポルトガル史上のさまざまな時期に重要な役割を果たし、王室の墓所としても使用されました。
見どころ:
- 内陣のスクリーン: バターリャ修道院の内陣には美しいスクリーンがあり、細密な彫刻と華麗なデザインで装飾されています。これはマヌエル様式の最も印象的な要素の一つです。
- ジョアン1世とフィリパ・デ・ランカスターの墓: 修道院の中庭には、ジョアン1世とその王妃フィリパ・デ・ランカスターの墓があります。これらの墓は彫刻の傑作として高く評価されています。
- 回廊の彫刻: 修道院の回廊には、繊細で美しい彫刻が施されており、訪れる人々に驚きと感動を与えます。
世界遺産登録:
バターリャ修道院は1983年にユネスコの世界遺産として登録されました。
ユネスコの世界遺産に登録された理由は以下のような要因が組み合わさっています:
- 建築の傑作: バターリャ修道院は、ゴシック様式とマヌエル様式(ポルトガルのルネサンス様式)を組み合わせた建築物であり、その美しい建築デザインと彫刻は卓越しています。特に、修道院内の内陣のスクリーンや回廊の装飾は、芸術的な価値が高いとされています。
- 歴史的な重要性: バターリャ修道院は、ポルトガル史において重要な出来事を祝うために建てられ、ポルトガルの歴史と文化に深く関連しています。修道院は王室の墓所としても使用され、王室の歴史に関連する多くの要素を含んでいます。
- 文化的な多様性の示唆: マヌエル様式と呼ばれる建築様式は、ポルトガルにおけるルネサンスの象徴とされており、バターリャ修道院はその代表的な例です。この修道院は、ポルトガルの建築史と文化史において重要な位置を占めており、文化的多様性を示す一環として評価されました。
一人旅で世界遺産を巡るヨーロッパ6ケ国周遊旅行で訪問した全世界遺産を以下の記事で一覧表にまとめています。
朝食
朝食はホテルの部屋で、前の日にファティマのピンゴ・ドーセで買っておいたパンやチーズなどを食べました。
世界遺産「バターリャ修道院」の行き方
前の晩、かなり一生懸命ネットでファティマからバターリャへのバスの時間を調べていたのですが、結局見つかりませんでした。後で分かったのですが日曜日なのでバスがなかったんですね。
バスターミナルで聞いたのですが、どうも直接バターリャ行くバスがなく、レイリアを経由していくことにしました。
まずはバスでファティマからレイリアまで行きます。
レイリア散策
バスの乗継で1時間以上あったので、レイリアの町を散策。日曜日なのでお店も閉まっていてかなりのんびりというかさみしい感じです。
レイリア大聖堂、レイリア城など結構いい写真が撮れました。初夏のポルトガルは青空がきれいです。
以下のレイリアの写真は、シャッターストックで絶賛販売中です。
ルイス・デ・カモンイス公園
「ルイス・デ・カモンイス公園(Jardim Luís de Camões)」は、ポルトガルの都市レイリア(Leiria)にある公園です。
この公園は、ポルトガルの偉大な詩人ルイス・デ・カモンイス(Luís de Camões)に敬意を表して名付けられました。ルイス・デ・カモンイスはポルトガルの最も著名な詩人の一人で、16世紀に活動し、特に叙事詩「ウズ・ルジアダス」で知られています。
ルイス・デ・カモンイス公園は、美しい植物や花々、ベンチ、歩道、遊具などが配置された、市民や家族にとっての憩いの場として利用されています。公園内ではピクニックを楽しんだり、散歩を楽しんだり、子供たちが遊ぶことができます。
リス川
レイリアの町の中を流れるリス川(Rio Lis)の風景。河岸の並木が爽やかな印象です。
レイリア城
「レイリア城」(Leiria Castle)は、レイリアにある歴史的な城です。この城は、レイリア地域の象徴的な建築物として知られています。以下は、リエリャ城に関するいくつかの重要な情報です:
- 歴史: リエリャ城の歴史は非常に古く、元々は12世紀にムーア人によって建設されました。後にポルトガル王アフォンソ1世によって再建され、キリスト教勢力に奪還されました。その後、数世紀にわたり、多くの改築や拡張が行われました。
- 建築様式: リエリャ城はゴシック様式とマヌエル様式(ポルトガルのルネサンス様式)の要素を組み合わせた建築物であり、特にマヌエル様式の装飾が美しいです。城壁や塔、内部の庭園など、その建築デザインは訪れる人々に魅力的です。
時間もないので、町中から撮影します。
レイリア大聖堂
概要:レイリア大聖堂は、レイリア市内の中心部に位置し、その美しい建築と歴史的な重要性から訪れる観光客に人気があります。
歴史:レイリア大聖堂は、12世紀に建設が始まり、13世紀に完成しました。その歴史は長く、多くの改築や修復が行われてきました。大聖堂は、ポルトガル王アフォンソ4世の時代に、レイリアを国内の宗教的中心地とするために重要な役割を果たしました。
建築様式:レイリア大聖堂は、ルネサンス様式とマヌエル様式の要素が見られます。レイリア大聖堂の美しいステンドグラスや祭壇画も訪れる人々に感銘を与えます。
日曜日の礼拝で多くの人が集まっています。
サン・ペドロ教会
サン・ペドロ教会(Igreja de São Pedro)は、ポルトガルのレイリア市に位置するカトリック教会で、レイリア市内のカステロに近接しています。
この教会は、12世紀末から13世紀初めに建設され、ポルトガルのロマネスク様式の教会の中では唯一現存するものです。レイリアの歴史と宗教文化における重要な建築物として、1910年以来国のナショナル・モニュメント(Monumento Nacional)として指定されています。
イグレジャ・デ・サン・ペドロの外観には特徴的なロマネスクのポータルがあり、内部には美しい礼拝堂と賛美のための音楽が楽しめます。
鐘楼(レイリア)
レイリアのバロック様式の鐘楼、トーレ・シネイラ(Torre sineira)は、レイリア大聖堂から離れた場所にあります。この鐘楼は1772年に建設されました。トーレ・シネイラは、レイリア城への主要なアクセスであるPorta do Solのバルワートの上に建てられ、その下には住居が建てられました。
2014年10月23日に、レイリア大聖堂、回廊、周囲の中庭、トーレ・シネイラ、および鐘楼の家など、すべてが国のナショナル・モニュメント(Monumento Nacional)として指定されました。
この後、レイリアからバスでバターリャへ移動。
バターリャ大聖堂
いいことがありました。
なんと日曜日はバターリャ修道院の入場料が無料でした。
アフォンソ5世の回廊
「アフォンソ5世の回廊」は、ポルトガルのバターリャ修道院(Mosteiro da Batalha)内にある、美しいゴシック様式の回廊です。この回廊は、15世紀にポルトガルの王であったアフォンソ5世(Afonso V)によって建設されました。
その美しさと歴史的な価値に感動しました。回廊のゴシックアーキテクチャは壮観で、繊細な彫刻が見事に施されています。ここはアフォンソ5世の墓がある場所でもあり、彼の宗教的信念とポルトガルの歴史に触れる機会として非常に興味深いものでした。
未完の礼拝堂(ポルトガル語表記でCapelas Imperfeitas)
未完の礼拝堂、または「Capelas Imperfeitas」は、ポルトガルのバターリャ修道院(Mosteiro da Batalha)内にある、壮大なゴシック様式の礼拝堂であり、その名前の通り、完成していない状態で残されている特異な建物です。この礼拝堂は、14世紀にポルトガルの王室の一員であるジョアン1世の命令によって建設が始まりましたが、工事は未完に終わり、その壮大な美しさと同時に謎めいた存在感を放っています。
未完の礼拝堂に足を踏み入れると、最初に驚くのはその高い天井と豪華な彫刻です。壁面には美しいゴシック様式の装飾が施され、緻密な彫刻が細部まで施されています。礼拝堂の中央には大理石の円形のスペースがあり、この部分が主要な聖所であることが示されています。しかし、この壮大な礼拝堂は何百年もの間未完のままであり、その不完全さが神秘的な魅力を醸し出しています。
アフォンソ5世の長男、ジョアン王子の墓
アフォンソ5世の長男、ジョアン王子の墓は、未完の礼拝堂にあります。石棺には精緻な彫刻が施されています。
ドゥアルテ1世とレオノール・デ・アラゴンの墓
「ドゥアルテ1世とレオノール・デ・アラゴンの墓」(Túmulo de D. Duarte I e Leonora de Aragão)は、未完の礼拝堂の一番奥にあります。
ドゥアルテ1世は、ポルトガルの王で、レオノール・デ・アラゴンは彼の妃です。
未完の礼拝堂の彫刻装飾は、見事です。
王の回廊
マヌエル様式の装飾が美しいです。
バターリャ修道院の周辺
修道院の周りも軽く散策。何にもないですね。
帰り
バス停に戻って帰りのバスを待ちましたが、バスは来ず。
どうも日曜日はバスがないらしいです。
レイリアに戻る地元の人に車で送ってもらいました。しっかり10ユーロ取られました。
レイリアからはバスでファティマに戻りました。
ファティマ
ピンゴ・ドーセで夕食と朝食の買い物。ここでパステル・ド・ナタとビッカ(ポルトガル風エスプレッソ)を頂きましたが、セットで1ユーロしないという超お得な物価になってました。この瞬間にポルトガル大好きになりました。いわゆるアメリカンチェリーも安くていいです。
初稿:2017/07/13